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コラム

COLUMN
2023.05.15

建設業法違反による監督処分・罰則|役員が交通事故を起こしたら?

建設業法に違反すると、罰則や監督処分を受けることになります。

建設業許可を取得した後でも、欠格要件に該当したり、不正手段で建設業許可を取得していたりした等の重大な違反があった場合は許可が取消されることになるので、建設業に関連する様々な法令を遵守し、業務上必要な事項に関して注意義務を怠らず、適正な建設工事の施工が必要です。

違反した場合の監督処分・罰則の内容について確認しておきましょう。

この記事では、

  • 建設業法に違反した場合の監督処分・罰則の内容
  • 監督処分が命じられる主なケース
  • 例えば役員が交通事故を起こした場合はどうなるのか?

について、建設業専門の行政書士法人ストレートが解説します。

建設業法に違反した場合の監督処分・罰則の内容

建設業者は、建設業法だけでなく建設業に関連する様々な法令を遵守し、業務上必要な事項に関して注意義務を怠らず、適正な建設工事の施工をしなければなりません。

建設業法に違反すると罰則・監督処分を受けることになりますが、具体的にはどのような内容なのでしょうか?

監督処分の内容

監督処分は刑罰や過料を科す罰則とは違い、行政上直接法の遵守を図る行政処分のことで、不適正な者の是正を行い、不適格者を建設業者から排除することを目的としています。

監督処分の種類は、建設業法で次のように規定されています。

①指示処分(建設業法第28条)

指示処分とは、監督行政庁が法令違反や不適正な事実を是正するために業者がどのようなことをしなければならないか命令するものです。

監督処分の中では、最も軽微なものになります。

指示処分の影響とは?
指示処分によって請負契約の締結や見積り等の営業活動に影響が出るようなものではありませんが、公共工事の受注に必要な経営事項審査において減点対象とされるほか、公共工事の各発注者から指名停止措置を受けることになります。

②営業停止処分(建設業法第28条)

指示処分に従わないときは、営業停止処分の対象となります。

これは1年以内の期間で営業活動が禁止される処分で、一括下請負禁止規定の違反や独占禁止法、刑法などの他法令に違反した場合は、指示処分なしで直接営業停止処分になることもあります。

営業停止期間中は行えない行為

①新たな建設工事の請負契約の締結(仮契約に基づく本契約の締結を含む。)

②処分を受ける前に締結された請負契約の変更であって、工事の追加に係るもの(工事の施工上特に必要があると認められるものを除く。)

③前2号及び営業停止期間満了後における新たな建設工事の請負契約の締結に関連する入札、見積り、交渉等

④営業停止処分に地域限定が付されている場合にあっては、当該地域内における前各号の行為 

⑤営業停止処分に業種限定が付されている場合にあっては、当該業種に係る第1号から第3号までの行為

⑥ 営業停止処分に公共工事又はそれ以外の工事に係る限定が付されている場合にあっては、当該公共工事又は当該それ以外の工事に係る第1号から第3号までの行為 

営業停止期間中でも行える行為

①建設業の許可、経営事項審査、入札の参加資格審査の申請

②処分を受ける前に締結された請負契約に基づく建設工事の施工

③施工の瑕疵に基づく修繕工事等の施工

④ アフターサービス保証に基づく修繕工事等の施工

⑤災害時における緊急を要する建設工事の施工

⑥ 請負代金等の請求、受領、支払い等

⑦企業運営上必要な資金の借入れ等

③許可取消処分(建設業法第29条)

不正手段で建設業許可を受けたり、営業停止処分に違反して営業したりした場合、許可取消処分の対象となります。

一括下請負禁止規定の違反や独占禁止法、刑法などの他法令に違反した場合などで情状酌量の余地が無いと判断されると、指示処分や営業停止処分なしで直ちに許可取消となる場合もあります。

監督処分が命じられる主なケース

公衆危害
建設業者の業務に関する談合・賄賂等

①刑法違反

②補助金等適正化違反

③独占禁止法違反

請負契約に関する不正行為

①虚偽申請

②技術者の不設置等

③粗雑工事等による重大な瑕疵

④施工体制台帳等の不作成

事故

①公衆危害

②工事関係者事故

建設工事の施工等に関する他法令違反

①労働安全衛生法違反(工事関係者事故等)

②建設工事の施工等に関する他法令違反(建築基準法違反等、労働基準法違反等、廃棄物処理法違反等、特定商取引に関する法律違反)

③信用失墜行為等(法人税法・消費税法等の税法違反、暴力団員による不当行為防止等に関する法律違反)

④健康保険法違反、厚生年金保険法違反、雇用保険法違反

⑤一括下請負等

⑥主任技術者等の変更

⑦無許可業者等との下請契約

履行確保法違反 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律違反

国土交通省のウェブサイトで、ケース毎にどのような処分が行われるかを記載した「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準」を確認することができます。

また、「国土交通省ネガティブ情報等検索サイト」にて、誰でも監督処分事例を検索し、過去の事例を参考にすることができます。

これらのサイトを、建設業法違反対策に活用するといいでしょう。

建設業法に違反した際の罰則

罰金以上の刑罰を受けると、建設業許可の欠格要件に該当することになります。

すると、許可の取消しの上、その取消しの日から5年間は建設業許可を取得できなくなります。

建設業法違反によって許可を取り消されれば、再起を図ることも難しくなってしまいます。

「罰金刑程度であれば」と考えず、法令遵守に努めることが肝心です。

3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(法人に対しては1億円以下の罰金)

  • ①建設業許可を受けないで建設業を営んだ場合
  • ②特定建設業許可がないにも関わらず、元請業者となり、4,000万円(建築一式工事の場合6,000万円)以上となる下請契約を締結した場合
  • ③営業停止中に営業した場合
  • ④営業禁止中に営業した場合
  • ⑤虚偽又は不正の事実に基づいて許可を受けた場合

※情状により、懲役及び罰金を併科されることがあります。

6か月以下の懲役又は100万円以下の罰金

  • ①建設業許可申請書に虚偽の記載をして提出した場合
  • ②変更等の届出を提出しなかった場合
  • ③変更等の届出に虚偽の記載をして提出した場合
  • ④経営状況分析申請書又は経営規模等の評価申請書に虚偽の記載をして提出した場合

※情状により、懲役及び罰金を併科されることがあります。

100万円以下の罰金

  • ①工事現場に主任技術者又は監理技術者を置かなかった場合
  • ②土木一式工事又は建築一式工事を施工する場合において、専門技術者の配置等を行わなかった場合
  • ③許可取消処分や営業停止処分を受けたにも関わらず、2週間以内に注文者に通知しなかった場合
  • ④登録経営状況分析機関から報告又は資料を求められ、報告若しくは資料の提出をしなかった場合又は虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をした場合
  • ⑤許可行政庁から報告を求められ、報告をしなかった場合又は虚偽の報告をした場合
  • ⑥許可行政庁から検査を求められ、検査を拒否、妨害、忌避した場合

※情状により、懲役及び罰金を併科されることがあります。

10万円以下の過料

  • ①廃業等の届出を怠った場合
  • ②調停の出頭要求に応じなかった場合
  • ③店舗や工事現場に建設業の許可票を掲げなかった場合
  • ④無許可業者が建設業者であると誤認される表示をした場合
  • ⑤帳簿を作成しなかった場合、虚偽の記載等をした場合

※情状により、懲役及び罰金を併科されることがあります。

もし役員が交通事故を起こした場合はどうなる?

たとえば、建設業者の役員が交通事故を起こした場合、建設業許可は取り消されるのでしょうか?

結論から言えば、交通事故を起こしたことで必ず建設業許可が取り消されるわけではありません。禁固以上の刑を受ける等して欠格要件に該当した場合に、建設業許可が取り消されることになります。

欠格要件に該当する交通事故について説明していきましょう。

禁固以上の刑を受けると欠格要件に該当する

建設業許可には「欠格要件」があります。

交通事故を起こした場合、この欠格要件に該当し、建設業許可を取り消される可能性がありますが、欠格要件では「交通事故=建設業許可取消」と規定されているわけではありません。

交通事故について欠格要件に該当するのは、次のケースです。

  • 「禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わり、またはその刑の執行を受けなくなった日から5年を経過しない者」

自動車運転処罰法などにより、自動車の運転によって人を死傷させる行為等の処罰に関する刑罰が規定されています。

禁固以上の刑を受けることになれば欠格要件に該当するので、建設業許可は取り消されることになります。

欠格要件についての詳細はこちら

禁固以上の刑になる交通事故とは具体的に何か?

交通事故には「人身事故」と「物損事故」がありますが、刑罰の対象となるのは「人身事故」がほとんどです。

たとえば、

  • 飲酒運転をして人を負傷させる事故を起こした場合は「危険運転致死傷罪」で15年以下の懲役
  • 死亡させた場合は1年以上20年以下の懲役

が科されることとなります。

その他、「過失運転致傷罪」で禁固以上の刑が科されるものがあります。

建設業法違反による監督処分・罰則まとめ

  • 監督処分には「指示処分」「営業停止処分」「許可取消処分」がある
  • 罰金以上の刑罰を受けると建設業許可の欠格要件に該当し、許可の取消しの上、その取消しの日から5年間は建設業許可を取得できなくなる。
  • 交通事故を起こして禁固以上の刑を受ける等して欠格要件に該当すると、建設業許可が取り消されることになる。

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行政書士 大槻 卓也
執筆者

建設業特化の行政書士法人ストレートの代表行政書士。年間申請数は300件を超える。建設業者のみならず行政書士、他士業からも多くの相談を受けるプロが認める専門家。誠実、迅速な対応で建設業者の発展に貢献します。

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