建設工業新聞 【2021年7月21日1面】
全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)は、建設キャリアアップシステム(CCUC)の普及促進策として、新たなプロジェクトを始動する。都道府県建設業協会のうち18都府県建協をCCUC普及促進に積極的な団体として抽出。会員企業のモデルになるような取り組みを推進する。8月には労働委員会に各建協の関係者らでつくる「地域CCUC推進委員会」を設置。18建協のフォローアップやさらなる普及促進策などを議論する。
新プロジェクトは、「地域ぐるみCCUC普及促進プロジェクト~CCUC先行的取組協会による普及促進活動の展開~」と銘打ち展開する。
全建によると、2020年度末時点で会員企業のCCUC事業者登録数は2割程度にとどまる。全建は中小企業が中心の会員に対する個別の働き掛けだけでは、普及に限界があるとみている。
CCUCに対する考えは団体ごとで温度差もあり、一律に普及促進を後押しするのは難しい。全建は地域を挙げて積極的に普及促進するための活動や体制整備に努める。
新プロジェクトの柱に据える対策が、CCUCに積極的で取り組みが先行している建協の抽出と、モデルケースの水平展開になる。まずは▽宮城▽栃木▽群馬▽埼玉▽東京▽山梨▽長野▽愛知▽京都▽大阪▽兵庫▽奈良▽岡山▽島根▽山口▽宮崎▽鹿児島▽沖縄-の18都府県で活動する建協を選定。今後、モデルになるような取り組みを推進してもらう。
18建協に対しては▽事業者登録数などの目標設定とフォローアップ▽直轄Cランク推奨モデル工事への積極参加▽地方自治体に対するCCUS活用工事のインセンティブ設定の働き掛け▽会員企業に対する積極的な普及活動▽現場見学会などの開催▽建設業退職金共済(建退共)制度CCUS活用電子申請方式の導入勧奨▽CCUS普及促進に関する委員会などの設置-などを呼び掛けている。
8月には地域CCUC推進委を設け18建協のバックアップ体制を整備。フォローアップや現状把握、対策の検討などを行う。全建は18建協に続く登録を目指し、CCUSの普及につなげる。