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コラム

COLUMN
2023.06.26

【建設業法】技術者の兼任・複数の現場の兼務は可能なのか?

営業所の専任技術者は、主任技術者・監理技術者との兼任が可能なのか?というと、結論はNOです。

では、主任技術者・監理技術者が1人で複数の現場を兼務することはできるのでしょうか?

また、主任技術者・監理技術者を、他の営業所(支店・本社等)で受注した工事に設置することは可能なのでしょうか?

今回は技術者の兼任の可否と、複数の現場での兼務について解説していきましょう。

この記事では、

  • 営業所の専任技術者は主任技術者・監理技術者になれない
  • 主任技術者・監理技術者は複数の現場を兼務できる?
  • 主任技術者・監理技術者はどの営業所で契約締結した工事でも設置可能
  • 技術者の兼務について制度見直しが検討されている

について、建設業専門の行政書士法人ストレートが解説します。

営業所の専任技術者は主任技術者・監理技術者との兼任ができない

建設業許可の営業所の専任技術者の職務は、営業所に常勤し、請負契約の締結にあたり技術的なサポート※を行うことなので、原則として主任技術者または監理技術者との兼任は認められていません。

なお、これは「専任かつ常勤」が求められている、営業所の専任技術者のみの取扱いとなります。

例外として専任技術者が主任技術者・監理技術者になれるのは、次の①~④のいずれの要件も満たす場合です。

  • ①現場への専任が求められない工事であること
  • ②所属する営業所で契約締結した建設工事であること
  • ③所属する営業所での職務が適正に遂行できる程度に近接した工事現場であること
  • ④所属する営業所と常時連絡が取れる状態であること

つまり、営業所の専任技術者が主任技術者・監理技術者になるためには、「所属する営業所」で契約締結した建設工事でなければなりません。

専任技術者・主任技術者・監理技術者の違いについてはこちらの記事をご覧ください。

※技術的サポートとは
工法の検討・注文者への技術的な説明・建設工事の見積の作成・入札・請負契約の締結等が適正に行われるようにサポートすることをいいます。

主任技術者が1人で2以上の工事を兼務可能か?

そもそも請負金額4,000万円未満(建築一式工事は8,000万円未満)の工事は現場への専任が不要なため、無条件で複数の現場を兼任可能ですが、請負金額4,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる場合は、原則として複数の現場を兼務することはできません。

ただし、次の条件を満たしている場合は、1人の主任技術者が原則2件程度の工事現場を兼務できます。

  • ①密接な関係のある2以上の建設工事
  • ②①の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工する場合
密接な関係のある工事とは?
工事の対象となる工作物に一体性もしくは連続性が認められる工事または、施工にあたり、相互に調整を要する工事(2つの現場の資材を一括で調達し、相互に工程調整を要するものや、工事の相当の部分を同一の下請け業者で施工し、相互に工程調整を要するもの)のこと。

監理技術者が1人で2つの現場を兼務できるのか?

監理技術者を配置することを要する建設工事(元請として請けた工事について、下請金額の合計が4,000万円以上(建築一式の場合は8,000万円以上))においては、原則として兼務はできません。

ただし、監理技術者補佐を当該工事現場ごとに専任で置いた場合、監理技術者は特例監理技術者となり2つまでの工事現場の兼務が可能です。なお、監理技術者補佐となるためには次の2つの資格を満たす必要があります。

  • ①主任技術者の資格を有する者
  • ②一級施工管理技士補または一級施工管理技士等の国家資格者、学歴や実務経験により監理技術者の資格を有する者(監理技術者補佐として認められる業種は、主任技術者の資格を有する業種に限られる。) 

なお、発注者によっては、監理技術者補佐の配置条件の取扱いが異なる場合がありますので、各自確認する必要があります。

主任技術者・監理技術者を別の営業所で受注した工事で設置できるの?

たとえば、支店で受注した工事の主任技術者として、本社の技術者を置いてもいいのでしょうか?

結論から言えば、可能です。

営業所の専任技術者には「所属する営業所」という考え方がありますが、営業所の専任技術者以外の技術者が主任技術者・監理技術者になる場合は、所属する営業所がどこかは関係ありません。

建設業法上、主任技術者・監理技術者になるための要件は次の2つです。

  • ①必要な資格、実務経験を有していること
  • ②建設業者との間に直接的かつ恒常的な雇用関係があること

上記の要件をクリアしていれば、どの営業所で契約締結した工事であっても主任技術者・監理技術者になることが可能なのです。

技術者不足の懸念から兼務の制度見直し案が検討されている

技術者不足が懸念されていることから、次のように技術者の兼務について制度を見直そうという動きがあります。(※これらは検討中の案であり、現状ではありません)

  現場技術者同士の兼務 営業所専任技術者と現場技術者の兼務
見直し案 ①2現場まで ①1営業所+1現場まで(1営業所と、当該営業所において請負契約が締結された工事請負金額が1億円未満(建築一式工事
は1.5億円未満)の1現場(専任を要するもの)を兼任すること。
②ICT機器の整備によって音声・映像による現場の状況確認・意思疎通が可能なこと ②監理技術者等と営業所が常時連絡をとれる体制であること
③現場同士の距離が1日に巡回可能な範囲であること ③ICT機器の整備によって監理技術者等と現場の間で音声・映像による現場の状況確認・意思疎通が可能なこと
④各現場に監理技術者の補助が可能な連絡要員を配置すること ④現場同士の距離が1日に巡回可能な範囲であること
⑤下請次数が3次以内なこと ⑤現場に監理技術者の補助が可能な連絡要員を配置すること
⑥CCUS等によって施工体制が遠隔で把握可能なこと ⑥工事全体の下請次数が3次以内なこと
⑦CCUS等によって施工体制が遠隔で把握可能なこと
距離要件 距離要件なく兼務可能 営業所と現場が近いこと・営業所と常時連絡がとれる体制にあること

国土交通省Webサイト「営業所専任技術者制度について」を参考に作成

なお、技術者の兼務についての制度見直しによる影響として、営業の実態に技術力が伴わない不良・不適格業者の参入のおそれや、営業所の設置が容易となることによる受注競争の激化のおそれが懸念されています。

専任技術者でない技術者はどの工事でも設置できるかのまとめ

  • 営業所の専任技術者は、原則として主任技術者または監理技術者との兼任は認められていない
  • 主任技術者は原則として請負金額4,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)の工事は兼務できないが、一定の条件を満たせば1人で2件程度の工事現場を兼務できる
  • 監理技術者は原則として1人で2件の工事現場を兼務できないが、特例監理技術者制度を利用することによって兼務可能となる
  • 主任技術者・監理技術者は専技と違い、どこの営業所の所属かに関係なく設置できる
  • 技術者の兼務について制度見直しが検討されている

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行政書士 大槻 卓也
執筆者

建設業特化の行政書士法人ストレートの代表行政書士。年間申請数は300件を超える。建設業者のみならず行政書士、他士業からも多くの相談を受けるプロが認める専門家。誠実、迅速な対応で建設業者の発展に貢献します。

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