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2025.09.22

執行役員を経営業務管理責任者として建設業許可を申請する方法

建設業を営むうえで避けて通れないのが「建設業許可」です。軽微な工事であれば許可は不要ですが、一定規模を超える工事を請け負うためには必ず許可が必要となり、許可を受けるかどうかが事業の信用力や受注機会に直結します。

その際、最大のハードルのひとつとなるのが「経営業務の管理責任者(以下「経管)」の設置要件です。中小企業や新設法人では「誰を経管にすればいいのか」「社内に適任者がいない」といった悩みも多いです。

特に近年は、「執行役員を経管にして要件を満たしたい」というご相談が増えています。しかし、執行役員は社内規程で任命される役職で、会社法に規定される「役員」とは異なるため、その申請は通常と比較して難易度が上がります。

本記事では、執行役員を経営業務管理責任者として申請する方法、またそのために必要な準備・証明資料・実務上の注意点を、建設業専門の行政書士の視点から徹底的に解説していきます。

建設業許可における「経営業務管理責任者」とは

建設業法第7条第1項第2号では、建設業許可の要件として「経営業務の管理責任者を常勤で設置すること」が規定されています。つまり、会社が許可を受けるためには、建設業の経営を統括管理できる人物を配置しなければなりません。

この要件は単なる形式ではなく、建設業を適正に経営できる能力があるかどうかを行政庁が審査する重要なポイントです。

経営業務管理責任者の役割

建設業は、一品ごとの注文生産であり、一つの工事の受注ごとにその工事の内容に応じて資金の調達、資材の購入、技術者及び労働者の配置、下請負人の選定及び下請契約の締結を行わなければならず、また工事の目的物の完成まで、その内容に応じた施工管理を適切に行うことが必要であり、経管の役割として、「適正な財務管理能力」「適正な労務管理能力」「不良不適格業者の排除」が求められています。

【国土交通省】経管について

経管となるための経験要件

経管となるためには、原則、以下のいずれかの経験が必要です。

  • 建設業の役員等として5年以上
  • 建設業の個人事業主として5年以上
  • 建設業の営業所における政令使用人として5年以上
  • 経管に準ずる者として経営業務を5年以上
  • 経管に準ずる者として経営業務補佐を6年以上

執行役員とは何か

執行役員は、実は会社法には登場しない役職です。日本企業が独自に導入した「経営と執行の分離」を目的とした制度であり、社内規程で設置されます。

つまり、会社法上の「役員」(取締役・監査役など)とは異なり、法的には従業員に近い位置づけです。

執行役員と取締役の違い

取締役:会社法に基づき株主総会で選任され、登記簿に記載される。会社の経営を法的に担う役員。

執行役員:登記されず、会社内部で任命される。主に日常の業務執行を担う。

執行役員を経営業務管理責任者に据える条件

執行役員を経管として建設業許可申請を進める場合、通常の取締役等を経管とする申請と比べ、流れや用意する書類が異なります。

建設業に関する経営経験の証明

原則、以下のいずれかの経験を証明します。経管は、申請会社の経験、他社での経験どちらでも構いません。

  • 建設業の役員等として5年以上
  • 建設業の個人事業主として5年以上
  • 建設業の営業所における政令使用人として5年以上
  • 経管に準ずる者として経営業務を5年以上
  • 経管に準ずる者として経営業務補佐を6年以上

常勤性の証明

経管は、建設業を営む本店に常勤しなければなりません。ここでいう本店とは、登記上の本店所在地ではなく、建設業を営む事実上の本店も認められます。

常勤性の証明には、以下のような書類で対応します。

  • 健康保険証(資格確認書)
  • 標準報酬月額決定通知書
  • 住民税特別徴収額決定通知書

なお、他社から出向している経管の場合は、上記書類に加えて、出向に関する契約書面等も必要となります。

執行役員としての地位の証明

執行役員が名ばかりのものでなく、社内すべての建設業に関する経営業務執行に関する権限の委譲を受けているかを、以下のような書類で証明します。なお、執行役員を経管にできるのは、取締役会設置会社に限られます。

  • 組織図
  • 業務分掌規程
  • 取締役会規程
  • 執行役員規程
  • 取締役会議事録

建設業許可申請実務の流れ

事前準備

  • 経管候補者の経営経験を証明できるかを確認
  • 執行役員の地位が認められるかの社内規程等を確認
  • 経管に関する常勤を証明できる書類等を用意なお、他社から出向している経管

執行役員を経管にする場合は、申請先の審査担当者と事前確認をします。窓口担当者により判断が分かれる場合もあるため、万が一慣れていなそうな担当者の場合、まわりのベテランにも確認をお願いして法が良いでしょう。

建設業許可申請

管轄する行政庁へ建設業許可申請を行います。

行政書士に依頼するべきか

建設業許可は、複雑な要件を満たしたうえで、多くの申請書類が必要であるため、建設業許可に強い行政書士に依頼すると安心です。

特に執行役員を経管とする申請については、そういった申請経験がある行政書士に相談すると良いでしょう。

行政書士に依頼すると次のようなメリットがあります。

  • 執行役員を経管にできるかどうかの事前判断
  • 必要書類の整備・不足資料の補完
  • 行政庁との協議や交渉を代行
  • 申請書作成から行政窓口とのやりとりまで代行
  • スムーズに許可を取得し工事の請負が可能に

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まとめ

執行役員を経営業務管理責任者に据えて建設業許可を申請することは可能ですが、経営経験、常勤性とあわせて「執行役員が適正な権限を持った地位であるか」をいかに証明できるかが成否を分けます。

特に東京都では審査が厳しく、事前相談と証拠資料の整備が欠かせません。

当事務所では、執行役員を経管とする難易度の高い申請についても多数の実績を有しており、事前相談から申請書作成、行政庁との調整まで一括でサポートしています。

「執行役員を経管にして申請したいが不安」という企業様は、ぜひご相談ください。

執行役員を経管として申請したお客様の声

行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

建設業特化の行政書士法人ストレートの代表行政書士。年間申請数は300件を超える。建設業者のみならず行政書士、他士業からも多くの相談を受けるプロが認める専門家。誠実、迅速な対応で建設業者の発展に貢献します。

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当社は、建設業関連業務に特化している行政書士法人です。東京都、神奈川県、埼玉県を中心に建設業許可に関する手続きを年間300件以上代行しており、難易度の高い申請の実績も豊富です。

他の行政書士には許可をとれないと言われた事業者様の建設業許可を、問題なくスムーズに取得できるケースも非常に多いです。行政書士の業務は多岐にわたるので、建設業許可に詳しくない事務所も当然あります。

「近所だから」「安いから」という理由だけで依頼する行政書士を選ぶと、許可取得までに時間がかかったり、許可を取得できないということも考えられます。特殊な法律やルールの多い建設業に関する手続きは、専門の行政書士にご相談いただけることを願います。