工事請負契約書の作成には印紙税もかかるため、節約のためにメールで済ませたいところですが、こうしたオンライン上でのやり取りに問題はあるのでしょうか?
印紙の購入や添付の手間を省くのに、どんな方法が最適なのか確認しておきましょう。
この記事では、工事請負契約書のやり取りのルールについて、建設業専門の行政書士法人ストレートが解説します。
目次
工事請負契約書のルール
建設業法第19条
- (建設工事の請負契約の内容)
第十九条 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。(以下省略)- 出典:建設業法|e-Gov法令検索
これは要するに、署名又は記名押印された書面の原本を、注文者と請負人それぞれに交付する必要があるということです。
署名または記名押印された書面の原本の交付が義務付けられている理由として、原本でなければ簡単に契約書の改ざんができてしまい、後々トラブルに発展する可能性があるからです。
FAX・メールでの注文書・請書のやりとりは、相手に注文書・請書のコピーが送信されることになるため、建設業法においては原則認められていません。
電子契約なら署名・押印は不要
工事請負契約書は、原本での取り交わしが義務付けられていると前述しましたが、国土交通省で定められた一定の基準をクリアした電子契約なら、署名又は押印がなくても締結することができます。
一定の基準とは、具体的には以下の技術的基準のことをいいます。
- ①見読性の確保
- ②原本性の確保
詳細については、国土交通省のHP『建設業法施行規則第13条の2第2項に規定する「技術的基準」に係るガイドライン』をご覧ください。
これらの基準をクリアした電子契約のシステムならば、工事請負契約をオンライン締結することが可能です。
電子契約システムを導入する際は、建設業法の基準を満たしているかどうか、提供する事業者に確認しましょう。
請負契約書の印紙税節約における注意点
印紙税とは、契約書や領収書などの文書作成の際に、その文書に課税される税金のことです。
建設工事の請負契約書や注文請書は印紙税法によって課税文書に定められています。
課税文書となるのは署名や押印があるもので、署名や押印のない写しは課税文書とされていません。
印紙税を節約するためにFAXやメールで契約をする場合もあれば、書面の場合は以下のような方法で契約を行う場合もあります。
- ①記名押印した請負契約書を1通作成→下請負人にその写しを交付する
- ②元請負人から注文書のみ発行→下請負人から注文請書を発行しない
しかし、これらの方法は建設業法違反となります。
建設業法第19条では「署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない」と定められています。
署名又は記名押印した書面が相互に交付されていなければ、建設業法違反となってしまいます。
印紙税の節約には、契約としての有効性が確保され、なおかつ印紙の購入や添付の手間が省ける電子契約が最適な方法と考えられるでしょう。
工事請負契約書の決まりに関するまとめ
- 請負契約の際は、署名又は記名押印された書面の原本を注文者と請負人それぞれに交付しなければならず、メール・FAXでの注文書等のやりとりは認められない
- 国土交通省の定める技術的基準をクリアした電子契約のシステムでなら、オンライン上での締結が可能
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