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コラム

COLUMN
2023.05.31

やり直し工事は建設業法違反になるのか?

建設工事においてやり直しが発生することを「やり直し工事」と呼びます。

元請業者は、下請工事のやり直しが生じないよう下請業者とよく話し合ったり、わかりやすい指示を行ったりすることに努めなければなりませんが、時にやり直し工事が発生してしまうこともあるでしょう。

このやり直し工事が建設業法違反になるかどうかは、やり直し工事が発生した際、何が問題で誰が費用を負担すべきかが要点となります。この記事では、

  • 建設業法違反となる場合のやり直し工事について
  • 費用は誰が負担するのか?
  • 責任が元請業者と下請業者のどちらにあるかの判断基準
  • やり直し工事が発生した場合の対応

について、建設業専門の行政書士法人ストレートが解説します。

やり直し工事は建設業法違反になる?

建設業法違反となるのは、元請業者からの一方的な下請業者へのやり直し依頼等です。

元請業者としての立場を利用した一方的なやり直し工事が起こらないよう、下請業者に工事のやり直しをさせる際の費用負担において注意しなければなりません。

建設工事の請負契約は建設工事の完成が目的ですから、完成が十分でなければ、下請業者の義務が果たされていない工事のやり直しを元請業者が下請業者に対して依頼すること自体に問題はありません。

やり直し工事(建設業法第18条、第19条第2項、第19条の3)
【建設業法上違反となるおそれがある行為事例】
元請負人が、元請負人と下請負人の責任及び費用負担を明確にしないままやり直し工事を下請負人に行わせ、その費用を一方的に下請負人に負担させた場合
上記のケースは、建設業法第19条第2項、第19条の3に違反するおそれがあるほか、同法第28条第1項第2号に該当するおそれがある。
引用:国土交通省HP「建設業法令遵守ガイドライン(第9版)」

やり直し工事の費用は誰が負担するのか?

やり直し工事の費用は元請業者と下請業者のどちらが負担するのでしょうか?

重要なのは、どちらに責任があるかどうかです。その判断基準を説明しましょう。

責任がどちらにあるかの判断基準

工事のやり直しが必要になった場合、やり直し工事に必要な費用は原則として元請業者が負担します。

なぜなら、元請業者はその工事において施工管理や施工監督を行う義務があり、やり直し工事が発生しないよう下請業者と十分な協議(話し合い)を行い、明確な施工指示を行うなどの対策が可能だからです。

また、やり直し工事に係る費用を元請業者が不当に下請負人に負担させるのは、下請業者を経済的に圧迫することとなります。

ただし、やり直し工事の発生原因が明らかに下請業者の責任である場合、元請業者が下請業者の費用負担によってやり直し工事をさせることができます。

下請業者の責めに帰すべき理由とは、具体的には次のようなケースです。

  • 下請業者の施工が請負契約書に示された内容と異なる場合
  • 下請業者の施工に瑕疵等(何らかの不具合・欠陥など完全性が損なわれていること)がある場合

元請業者として下請業者に指示や指導をし、やり直し工事が生じないよう責務を果たしていながら、下請業者が指示や指導を受け入れず施工したことが原因で工事のやり直しが必要になった場合は、下請業者に費用を負担させることができるのです。

下請業者の責任とは認められないケース

次のような場合には、下請業者の責任であるとは認められず、下請業者の費用負担によるやり直し工事を求めることはできません。

  • 下請業者から施工内容を明確にするよう求めがあったにもかかわらず、元請業者が正当な理由なく施工内容等を明確にせず、下請業者に継続して作業を行わせ、その後、下請工事の内容が契約内容を違うとした場合
  • 施工内容について下請業者が確認を求め、元請業者が了承した内容に基づき下請業者が施工したにもかかわらず、下請工事の内容が契約内容と違うとした場合

やり直し工事になった場合の対応

工事のやり直しが発生した場合は、速やかに元請業者と下請業者で必要な費用について十分に協議した上で、契約変更書を交わして施工するようにしましょう。

この変更契約書を交わさず工事を行うと、建設業法第19条第2項に違反します。

また、やり直し工事に必要な費用に関しては建設業法第19条の3で不当に低い請負代金での施工が禁止されています。

必要と認められる原価を下回ることがないようにしなければなりません。

契約変更があった場合の請負契約書の交付タイミングについてはこちら

やり直し工事のまとめ

  • 建設業法違反となるのは元請業者からの一方的な下請業者へのやり直し工事の依頼
  • やり直し工事の発生原因が明らかに下請負人にある場合は下請業者に費用負担させることができる
  • やり直し工事が発生した場合は契約変更書を交わしてから施工しないと建設業法違反となる

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行政書士 大槻 卓也
執筆者

建設業特化の行政書士法人ストレートの代表行政書士。年間申請数は300件を超える。建設業者のみならず行政書士、他士業からも多くの相談を受けるプロが認める専門家。誠実、迅速な対応で建設業者の発展に貢献します。

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