建設工事を行うためには建設業の許可が必要ですが、500万円未満の「軽微な建設工事」の場合は建設業許可を受けなくても請け負うことができます。
では、500万円未満になるように工事をいくつかに分割して請け負うことはできるのでしょうか?
この記事では、軽微な建設工事の契約書の分割について、建設業専門の行政書士法人ストレートが解説します。
目次
軽微な建設工事とは
建設工事を行うためには、「軽微な建設工事」のみを請け負う場合を除き、建設業許可を受けなければなりません。
「軽微な建設工事」とは、請負金額や規模の小さな建設工事のことを言います。
-
[1]建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事●「木造」…建築基準法第2条第5号に定める主要構造部が木造であるもの●「住宅」…住宅、共同住宅及び店舗等との併用住宅で、延べ面積が2分の1以上を居住の用に供するもの[2] 建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事出典:国土交通省Webサイト
建設業許可には29種類の業種があり、業種ごとに許可を受けることになります。
したがって、軽微な建設工事を超える500万円以上の建設工事を請け負おうとする場合には、建設工事の業種に該当する建設業許可を受けている必要があります。
500万円未満になるよう契約書を分割するのはNG
1件あたり500万円未満になるように、建設工事をいくつかに分割して請け負った場合、無許可で工事をしてもいいのでしょうか?
結論から言えば、500万円以上の建設工事をいくつかに分割して請け負うことはできません。
建設業法施行令第1条の2に
「同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする。」(建設業法施行令より抜粋)
と記載されているように、契約書の体裁ではなく工事の実態で判断されます。
要するに、分割して請け負ったとしても、実態が1つの請負契約であれば、無許可で500万円以上の建設工事を請け負ったことと同様になります。
-
第一条の二 法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。2 前項の請負代金の額は、同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする。ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない。3 注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加えたものを第一項の請負代金の額とする。
建設工事を無許可で請け負うと建設業法違反となる
500万円以上の建設工事を無許可で請け負うと建設業法違反となってしまいます。
建設業者が違反した場合、監督処分の対象となり、最悪の場合は以下のような思い罰則が科されます。
- 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
- 法人に対しては1億円以下の罰金
許可がない業種について、500万円以上の建設工事の依頼があった場合は、建設業法令遵守のために、
- お断りする
- 許可のある他の建設業者を紹介する
といったような対応をとりましょう。
軽微な建設工事の契約書の分割まとめ
- 500万円以上の建設工事をいくつかに分割して請け負うことはできない
- 500万円以上の建設工事を無許可で請け負うと建設業法違反となる
建設業専門の行政書士事務所
行政書士法人ストレートは、建設業者サポートに特化した事務所です。
建設業許可申請・経営事項審査・工事入札参加は、相談する行政書士によってその結果が異なることが多くあります。
個人事業~上場企業まで、年間300件以上の手続き実績がある行政書士が対応いたしますので、是非、初回無料相談をご利用ください。
セカンドオピニオンも大歓迎です。お気軽にお問い合わせください。
初回無料相談!
まずはお気軽にご相談ください
東京・神奈川・埼玉の建設業許可、経営事項審査、公共工事入札参加は専門行政書士にお任せを
