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コラム

COLUMN
2023.02.20

建設業許可をわかりやすく解説|取得のメリット・デメリットとは?

近年は企業経営の中でコンプライアンス(法令遵守)の意識が高まり、重要視されてきています。

建設業許可がない事業者には軽微な工事(500万円以下の工事)も発注しないというケースが増えており、業者間で競争していくためにも法令遵守は当然の時代になっています。

建設業許可を取得する必要があれば取得し、適正な状態で工事を受注する体制を管理・維持していきましょう。

建設業法の概要とメリット・デメリット、建設業許可業者情報検索システム、許可の種類・区分と資格要件、有効期間と更新手続きについて確認していきます。

この記事では、建設業許可の概要とメリット・デメリットについて、建設業専門の行政書士法人ストレートが解説します。

よくわかる建設業法の概要

建設業許可とは、建設事業者が500万円以上(建築一式工事の場合は 1,500万円以上)の工事を請負うために必要となる許可のことです。

建設業許可が必要なケースと不要なケース、無許可で続けた場合に起こり得ること、建設業許可制度の目的を説明していきましょう。

建設業許可はどういう場合に必要なのか?

すべての建設業者は原則許可の対象となり、建設業29業種ごとに、国土交通大臣または都道府県知事の許可を受ける必要があります。

建設業者が500万円以上(建築一式工事の場合は 1,500万円以上)の工事を請負うためには建設業許可を受ける必要があります。

ただし、500万円以下(建築一式工事の場合は1,500万円以下)の工事は「軽微な工事」といい、軽微な工事のみの請負いであれば建設業許可を受けなくても建設業を営むことができます。

また、1,500万円以上の建築一式工事であっても、「木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事」については軽微な工事と認定されているので、建設業許可を受けなくても請負うことができます。

軽微な建設工事
[1]建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
●「木造」…建築基準法第2条第5号に定める主要構造部が木造であるもの
●「住宅」…住宅、共同住宅及び店舗等との併用住宅で、延べ面積が2分の1以上を居住の用に供するもの
[2]建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事

無許可で続けたらどうなる?

これまで建設業法上は建設業許可が必要でも、無許可で続けてこられた建設業者もいるかもしれません。

しかし、たまたまバレなかっただけで、ある日突然役所の調査が入ったらどうなるでしょうか?

各地方の建設業者の監督部署は定期的に地域の建設業者をチェックしているので、建設業法違反が発覚すれば指示処分(もっとも軽微な口頭指導)から、最悪次のような刑事罰を科される場合もあります。

  • 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
  • 法人に対しては1億円以下の罰金

また、建設業許可の取得は社会的信用の向上にもつながるため、無許可のままでは業者間の競争に追いつけなくなるでしょう。

したがって、許可の取得が必要なら、取得するべきと言うほかありません。

そもそも建設業許可制度は何のためにあるのか?

建設業許可とは、建設業法により定められたものであり、その目的は、「発注者の保護を図ること」と「建設業の健全な発展を促進すること」の2つです。

この2つの目標を達成するための手段として、建設業者の資質を向上させるために建設業の許可制が設けられました。

①発注者の保護

建設業法において厳格な許可の要件を設けることで、

  • 手抜き工事
  • 粗雑工事等の不良工事

などを防止するとともに、適正な施工の実現を目指しています。

②建設業の健全な発達が求められる理由

建設業は、

  • 住宅
  • 道路
  • 上下水道
  • 学校
  • 事務所
  • 工場

等々、個人の生活や社会の基盤となる諸施設の整備を担う重要な産業で、国民経済と深く関わっています。

この建設業が調和のとれた産業として発達することは、公益的にも必要なことなのです。

建設業許可を取得するメリット・デメリット

建設業許可を取得することで、軽微な工事の範囲を超える大きな規模の工事を請負えるようになるということ以外にも次のようなメリットがあります。

  • ①社会的信用の向上
  • ②公共工事入札に参加できる
  • ③技能実習生を雇用できる

一方で、建設業許可を取得するデメリットとは何なのでしょうか?

それぞれについて解説しましょう。

建設業許可を取得するメリット

①社会的信用の向上

許可業者は、5年以上の経営経験者及び専門知識を有する専任技術者の配置、財産的基礎、欠格要件等の要件をクリアしているため、対外的な信用は当然増します。

許可要件の厳しさを知っている同業者、元請業者が工事を発注する下請業者を選定する際に許可の有無を基準にするという話もよく聞きます。

また、金融機関から融資を受ける際の条件とされることも多いです。

②公共工事入札に参加できる

国や都道府県、市区町村等が発注するいわゆる公共工事は、原則入札方式とされています。

公共工事の請負いから支払われる工事代金は税金によるものであり、適正な建設業者に発注する必要があるので、建設業許可を受けている事業者のなかで、さらに経営事項審査を受けた者が入札に参加できるルールとされています。

経営事項審査とは、企業の工事売上高や技術力、財務状況、社会性等を数値化し、客観的にその企業のレベルを判断できるようにするシステムで、建設業許可を受けている事業者であれば申請することができます。

③技能実習生を雇用できる

建設業界の人材不足は深刻な問題で、とくに若い人材はなかなか雇用することができないものです。

そのような経緯から外国人を雇用したいという建設業者が増えてきているのですが、外国人が建設業で労働者として働くという就労ビザは認められていないのが現状です。

そこで、技能実習生という監理団体が監理している外国人を雇用することになるのですが、多くの場合この技能実習生の受け入れに建設業許可が条件とされるのです。

つまり、建設業許可を受けていれば技能実習生をスムーズに受け入れることができる可能性が高くなります。

建設業許可を取得するデメリット

「許可が必要な状態じゃないけどとりあえず取っておこう」という事業者にとっては、逆にデメリットが発生する場合もあります。

建設業許可申請代行をメイン商品としている行政書士として本当は隠したいところですし、他の行政書士に怒られるかもしれませんが、建設事業者への貢献を目指した記事なので正直に書きたいと思います。

①決算報告が義務となる

建設業法において、許可業者は毎決算終了後4カ月以内に事業年度終了報告を許可行政庁へ提出することが義務付けられています。

法定費用等のコストはかかりませんが、自分で進めるのはなかなか大変な上、行政書士に依頼すると代行費用が発生します。

②営業のターゲットにされる

建設業許可を受けると、その企業名、代表者名、所在地、電話番号等が国土交通省の公式サイト(建設業者・宅建業者等企業情報検索システム)に公表されます。

その情報をもとにやる気のある営業マンが連絡をしてくることがあります。

建設業許可許可事業者の検索システム

国土交通省HPの「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」では、建設業の許可番号から建設業許可業者を検索することができます。

建設業者の他に宅建業者やマンション管理業者、賃貸住宅管理業者などを確認できます。

国土交通省HP「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」はこちら

建設業許可の種類とその違い

建設業許可には次のような種類・区分があります。

  • 大臣許可と知事許可
  • 一般建設業許可と特定建設業許可

それぞれの違いについて説明していきましょう。

大臣許可と知事許可の相違点

大臣許可と知事許可の違いは次のとおりです。

  • 国土交通大臣許可(大臣許可)・・・営業所が2つ以上の都道府県にある場合
  • 都道府県知事許可(知事許可)・・・営業所が1つの都道府県にのみにある場合

要するに、営業所が2つ以上の都道府県に存在するかどうかの違いということです。

営業所ごとに備える許可取得のための要件にはほとんど違いはありませんが、新規申請時に納入する法定費用は、

  • 都道府県知事許可は9万円
  • 国土交通大臣許可は15万円

と差があります。

また、許可が下りるまでにかかる期間にも違いがあり、

  • 知事許可は申請後25日~60日前後
  • 大臣許可は申請後4ヵ月程

となっています。

一般建設業と特定建設業の違い

一定以上の規模の工事を請負い、下請業者を使う場合は特定建設業許可を受ける必要があるので、そのラインはしっかり確認しておきましょう。

特定建設業とは、「元請業者」の立場で請負った工事を下請業者に4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)で発注する場合に必要な許可です。

複数の下請け業者に発注する場合は、その合計額が以上の金額になる場合も含まれます。

少々分かりづらいですが、請負金額には制限がなく、下請業者への発注金額に制限があるところがポイントです。

したがって、自社施工であれば請負金額が1億円でも10億円でも一般建設業許可でも問題ありません。

また、同一業種について一般建設業と特定建設業の両方の許可を受けることはできません。

  • ①「大臣許可」の「特定建設業」
  • ②「大臣許可」の「一般建設業」
  • ③「知事許可」の「特定建設業」
  • ④「知事許可」の「一般建設業」

以上のどの区分を選べばいいかは、状況と照らし合わせて検討しましょう。

建設業許可の業種区分|29業種の分類について

建設業許可は、2種類の一式工事と、27種類の専門工事に分類されています。

29業種ごとに許可を取得する必要があるので、自社が請負う工事がどの業種に該当し、どの業種で申請をするべきなのかしっかり判断しましょう。

2業種の一式工事

土木工事業 建築工事業

27業種の専門工事

大工工事業 左官工事業 とび土工工事業
石工事業 屋根工事業 電気工事業
管工事業 タイルれんがブロック工事業 鋼構造物工事業
鉄筋工事業 舗装工事業 しゅんせつ工事業
板金工事業 ガラス工事業 塗装工業
防水工事業 内装仕上工事業 機械器具設置工事業
熱絶縁工事業 電気通信事業 造園工事業
さく井工事業 建具工事業 水道施設工事業
消防施設工事業 清掃施設工事業 解体工事業

建設業29業種についての詳しい解説はこちら

建設業許可取得のための資格要件とは?

建設業許可を取得するためには主に次の6つの審査項目があり、次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 経営業務管理責任者の在籍
  • 専任技術者の在籍
  • 財産的基礎を有する
  • 営業所に独立性がある
  • 欠格要件に該当しない
  • 社会保険に加入している

これらの要件は、建設業許可を取得する際だけでなく、建設業許可を維持するためのものでもあります。

要件のいずれかが欠けると、建設業許可を取り消されることになるので注意しましょう。

許可の要件・欠落要件の詳細は、国土交通省Webサイト「許可の要件」にて確認できます。

建設業許可の有効期間と更新手続きの方法

建設業許可は一度取得すればずっと有効というわけではありません。

許可を維持するためには有効期間と更新手続きが必要です。

有効期間と更新手続きについて説明していきましょう。

建設業許可の有効期間

建設業許可の有効期間は、許可のあった日から5年間です。

事業承継事前認可の場合はその承継予定の翌日から、相続にかかる認可の場合は被相続人の死亡の日から5年間です。

許可の有効期間の末日が、土日祝日等の行政庁の閉庁日であっても同様の取扱いになるので、許可期間満了日が土日祝日の場合は、その直前の平日までに更新審査を完了させる必要があります。

建設業許可の更新手続きについて

許可有効期間満了後も引き続き建設業を営もうとする場合は、期間が満了する日の30日前までに更新の手続きを取らなければなりません。

なお、更新申請時には法定費用5万円を納入する必要があります。

建設業許可の概要とメリット・デメリットまとめ

  • 建設業者が500万円以上(建築一式工事の場合は 1,500万円以上)の工事を請負うためには建設業許可を受ける必要がある
  • 建設業許可を取得することで社会的信用の向上や公共工事入札への参加、技能実習生の雇用など多くのメリットが得られる
  • 「許可が必要な状態じゃないけどとりあえず取っておこう」という事業者にとっては、決算報告が義務になったり営業のターゲットになったりというデメリットもある
  • 建設業許可には大臣許可と知事許可、一般建設業と特定建設業といった具合に区分が分かれているのでどの許可が必要なのか状況に照らし合わせて選択する
  • 建設業許可の有効期間は5年

建設業専門の行政書士事務所

行政書士法人ストレートは、建設業者サポートに特化した事務所です。

建設業許可申請・経営事項審査・工事入札参加は、相談する行政書士によってその結果が異なることが多くあります。

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行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

建設業特化の行政書士法人ストレートの代表行政書士。年間申請数は300件を超える。建設業者のみならず行政書士、他士業からも多くの相談を受けるプロが認める専門家。誠実、迅速な対応で建設業者の発展に貢献します。

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お客様の声

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    株式会社電商ネット様

    エアコン工事がメインなので管工事業の建設業許可を実務経験10年の証明により取得してもらいました。最初の要件診断や必要書類等の説明が非常にスムーズで、すぐに信頼できるなと感じました。ホームページからの出会いですが、行政書士法人ストレートに依頼して本当に良かったです。

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当社は、建設業関連業務に特化している行政書士法人です。東京都、神奈川県、埼玉県を中心に建設業許可に関する手続きを年間300件以上代行しており、難易度の高い申請の実績も豊富です。

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「近所だから」「安いから」という理由だけで依頼する行政書士を選ぶと、許可取得までに時間がかかったり、許可を取得できないということも考えられます。特殊な法律やルールの多い建設業に関する手続きは、専門の行政書士にご相談いただけることを願います。