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コラム

COLUMN
2023.07.24

下請工事が完成してからの検査・引渡しの規定について

下請負人が請け負った建設工事が完成させると、元請負人による検査・工事目的物の引渡しの受領が行われます。

この後、下請代金の請求・支払いに進むことになりますが、元請負人による検査・引渡しがなかなか行われないと、元請負人からの支払いが遅れてしまいます。そこで、建設業法では検査や引渡しについて期日を規定しています。

この記事では、

  • 工事の完成と完成通知
  • 完成通知から検査までのルール
  • 工事目的物の引渡しのタイミング
  • 規定に違反したと認められるのはどのような場合か?

について、建設業専門の行政書士法人ストレートが解説します。

完成通知から引渡し申出までの流れ

工事完成から引渡しまでの流れは以下のとおりです。

  • ①工事完成
  • ②完成通知
  • ③完成検査
  • ④引渡し申出
  • ⑤引渡しを受ける

工事の完成から引渡し申出までの流れの詳細と、元請け人による完成検査の期日についてのルールを説明していきましょう。

工事の完成と完成通知

下請負人が請け負った建設工事を完成させたら、元請負人に工事の完成通知を行います。

この完成通知は工事が完成した旨を知らせるものに過ぎず、建設業法上、完成通知は口頭で行ってもいいとされていますが、後々トラブルの原因とならないよう書面で通知することが適切です。

完成通知から検査までのルール

元請負人は、下請負人から完成通知を受け取ったら速やかに検査を行わなければなりません。

元請負人の検査がなかなか行われないと結果的に元請負人からの支払いが遅れてしまうばかりではなく、完成した工事目的物の保管責任を負わされ、不測の損害を被るおそれがあります。

したがって、建設業法では、元請負人は下請負人から完成通知を受けて20日以内でできる限り短い期間内に検査を行わなければならないと規定しています。(建設業法第24条の4)

これは、20日以内であればいつでもいいということではなく、最長でも20日以内ということなので、「できる限り短い期間内」に行う必要があります。

元請負人の完成検査によって工事に問題ないとされたら、下請負人は完成した工事の引渡しの申出を行うことができます。また、引渡しの申出に関しても、完成通知と同様の理由から口頭より書面で行うことが望ましいとされています。

建設工事標準下請契約約款
(検査及び引渡し)
第二十七条 下請負人は、工事が完成したときは、その旨を書面をもって元請負人に通知
する。
2 元請負人は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく下請負人の立会いの上工事の完成
を確認するための検査を行う。この場合、元請負人は、当該検査の結果を書面をもって
下請負人に通知する。
3 元請負人は、前項の検査によって工事の完成を確認した後、下請負人が書面をもって
引渡しを申し出たときは、直ちに工事目的物の引渡しを受ける。
4 元請負人は、下請負人が前項の申出を行わないときは、請負代金の支払の完了と同時
に工事目的物の引渡しを求めることができる。この場合においては、下請負人は、直ち
にその引渡しをする。
5 下請負人は、工事が第二項の検査に合格しないときは、遅滞なくこれを修補して元請
負人の検査を受ける。この場合においては、修補の完了を工事の完成とみなして前四項
の規定を適用する。
6 元請負人が第三項の引渡しを受けることを拒み、又は引渡しを受けることができない
場合において、下請負人は、引渡しを申し出たときからその引渡しをするまで、自己の
財産に対するのと同一の注意をもって、その物を保存すれば足りる。
7 前項の場合において、下請負人が自己の財産に対するのと同一の注意をもって管理
したにもかかわらずこの契約の目的物に生じた損害及び下請負人が管理のために特に
要した費用は、元請負人の負担とする。
引用:国土交通省HP「建設工事標準下請契約約款」

工事の目的物引渡しのタイミングについて

先述したように、完成した工事の目的物を引渡すまでの間、下請負人はその完成した工事目的物の保管責任や危険負担を負わされることになるため、引き渡しのタイミングについても建設業法で規定されています。

元請負人は下請工事の完成を確認した後、下請負人から申出があったときは、ただちに完成した工事の目的物を引き受けなければなりません。

引き渡しによって、工事目的物の保管責任や危険負担の責任は下請負人から元請負人に移転します。

建設業法第24条の4
第二十四条の四
2 元請負人は、前項の検査によつて建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、直ちに、当該建設工事の目的物の引渡しを受けなければならない。ただし、下請契約において定められた工事完成の時期から二十日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされている場合には、この限りでない。
(出典:建設業法|e-Gov法令検索

規定に違反したと認められるのはどのような場合か?

元請負人が検査・引渡しの規定に違反した場合、その事実が独占禁止法第19条の不公正な取引方法の禁止に違反していると認められると、建設業法第42条または第42条の2の規定に基づき、該当する元請負人の許可行政庁は公正取引委員会に対して同法の規定に従った適当な措置を採ることを求めることができるとされています。

不公正な取引の認定基準は次の①、②です。

  • ①下請負人からその請け負った建設工事が完了した旨の通知を受けたときに、正当な理由がないのに当該通知を受けた日から起算して20日以内にその完成を確認するための検査を完了しないこと
  • ②検査によって建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出た場合に、下請契約において定められた工事完成の時期から20日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がなされているときを除き、正当な理由が無いのに直ちに当該建設工事の目的物の引渡しをしないこと。

何が「正当な理由」にあたるのか?

①の「正当な理由」とは、風水害等の不可抗力によって検査が遅れたり、第三者の検査を要するためにやむを得ず遅れることが明らかに認められる場合をいいます。

②の「正当な理由」は、下請負人の不注意によって破損や汚損が生じ、引渡しを受けられないことが明らかに認められる場合などです。

下請工事が完成してからの検査・引渡しの規定まとめ

  • 元請負人は下請負人から完成通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に検査を行わなければならない
  • 下請負人が申出があったときは、ただちに完成した工事の目的物を引き受けなければならない(ただし、下請契約において定められた工事完成の時期から二十日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされている場合にはこの限りではない)

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行政書士 大槻 卓也
執筆者

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