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コラム

COLUMN
2023.07.10

建設業許可取得後の手続き|変更届の詳細・期限を解説

建設業許可を取得した後は、毎年あるいは必要に応じて手続きを行うことになります。手続きを放置したままにすると、許可の更新申請が受付されなかったり、思わぬペナルティが科されたりする可能性があるので、許可取得後も必要な手続きの見落としがないよう意識する必要があります。

許可を失効してしまったという事態を避けるためにも、建設業許可取得後の手続きについて把握しておきたいところです。

この記事では、

  • 決算変更届
  • 経営業務の管理責任者・専任技術者・令3条使用人・保険の加入状況の変更届
  • 廃業届(一部廃業・全部廃業など)
  • 知事許可→大臣許可への変更届
  • 一般建設業→特定建設業への変更届
  • 業種の追加

について、建設業専門の行政書士法人ストレートが解説します。

決算変更届は毎年提出しなければならない

決算変更届は「決算期を変更した場合に提出するもの」というイメージを持った方も多いかもしれませんが、実際には変更に伴う届出ではなく、毎年必ず提出しなければならないものです。

法人の場合は定款で定めた決算日から起算します。例えば3月決算の法人は7月末日まで、個人事業の場合は全員12月で事業年度が終了するので、4月末日までに報告が必要な事項をまとめた決算変更届を提出します。

決算変更届の提出期限

許可取得後、決算が確定したら毎年事業年度終了から4か月以内が提出期限となっています。

決算変更届の提出書類

提出するのは許可取得後に作成した

  • 様式第二号
  • 様式第三号
  • 財務諸表

に納税証明書を添付したものです。

国土交通省および各行政庁のwebサイトにて、届出書の作成方法や書式が紹介されているのでご覧になるといいでしょう。

東京都の場合(東京都地方整備局「建設業許可 手引、申請書類等」)

決算変更届を出さないとどうなる?

この決算変更届はとても重要な手続きなので、行わないと次のようなデメリットが生じます。

  • ①更新申請が受付されない
  • ②業種追加申請が受付されない
  • ③経営事項審査を受けられない
  • ④閲覧者の信用を失う
  • ⑤罰則が科される可能性がある

重要な手続きでありながら提出を忘れてしまう事業者も多いので、毎年度忘れずに提出するよう注意しましょう。

こちらの記事では決算変更届についてより詳しく解説しています

各変更届の提出と期限について

次の変更があった場合は、期限内に変更届の提出が必要です。

2週間以内の提出 30日以内の提出

常勤役員

経営業務の管理責任者

保険の加入状況

専任技術者

令3条使用人

商号(個人の場合は氏名又は登記済みの屋号)の変更

従たる営業所の名称の変更

営業所の所在地・電話番号・郵便番号の変更

従たる営業所の新設

従たる営業所の廃止

従たる営業所の業種追加・業種廃止

資本金の変更(法人のみ)

役員等・5%以上株主(出資者)の就任(法人のみ)

参考:東京都都市整備局Webサイト「Ⅲ変更届・廃業届」

※常勤役員等・保険の加入状況・専任技術者・令3条の使用人(支配人除く)の変更は、変更後2週間以内、その他の変更事項及び一部廃業については、変更後30日以内の届出が必要です。

提出がない場合は罰則(建設業法定第50条等)の対象となるおそれがあるので、放置しないよう気を付けなければなりません。

上記の内、2週間以内の届け出が必要な変更届について解説していきましょう。

経営業務の管理責任者の変更届

経営業務の管理責任者は、営業所に常勤の取締役から選任することになっています。

この状態が途切れ、要件を満たす人が見つからない場合は許可を維持できなくなって廃業届を出すしかなくなるので、絶えず選任しておく必要があります。

例えば、経営業務の管理責任者が退任する予定がある場合は、後任者がいるかどうかで調整する必要が出てくることもあります。経営業務の管理責任者の変更・交代をする際は切り替えがスムーズになるよう前もって準備しておきましょう。

ただし、新任の取締役を経営業務の管理責任者にする場合は登記に時間がかかります。

提出期限の2週間以内までに変更届が間に合わないときは、「申立書」等にて経緯と事情の説明を添えましょう。

専任技術者の変更

専任技術者は営業所の常勤職員から選任することになっているので、この状態が途切れないように選任しておかなければなりません。

なお、代わりの専任技術者に許可業種に当たる資格や実務経験があり、それらを有していることを書面上で証明できるかどうかで調整や新規採用が必要になるでしょう。

代わりの専任技術者が見つからなかった場合

代わりの専任技術者が見つからなかった場合は、専任技術者が不在であることを記載した届け出もしくは廃業届を提出します。

新たな専任技術者が見つかった場合は、すぐに許可申請をしましょう。

令3条使用人の変更

令3条使用人とは、正式には「建設業法施行令第3条に規定する使用人」のことで、支店など建設業を営む営業所の代表者が令3条使用人に該当します。具体的に言えば本店の代表者は「経営業務の責任管理者」、支店などの営業所の代表者は「令3条使用人」となります。

令3条使用人は従たる営業所に必ず置かなければならないので、後任を立てなければなりませんが、特別な資格要件はないので許可の維持に影響が出ることはほぼないと言えるでしょう。

健康保険の加入状況の変更届

令和2年10月1日より、社会保険が建設業許可の要件となり、健康保険の加入状況が届出事項となりました。

その他の変更手続きについて

  • 廃業届
  • 知事許可→大臣許可への変更
  • 一般建設業→特定建設業への変更
  • 業種の追加

について解説していきましょう。

廃業届は放置しないよう注意

許可を受けていた建設業の一部の業種が必要なくなった時にその業種を廃止することを「一部廃業」、現在受けている建設業許可全てをやめることを「許可の全部廃業」といいます。

廃業となるのは、次のいずれかに該当する場合です。

  • ①建設業許可の要件を満たさなくなった場合
  • ②建設業許可の更新を行わなかった場合
  • ③許可を受けた建設業を廃止した場合
  • ④それ以外の理由によって建設業者である会社が解散した場合
  • ⑤建設業者である個人事業主が死亡した場合
  • ⑥会社合併により建設業者である会社が消滅した場合
  • ⑦建設業者である会社が破産手続き開始の決定により解散した場合

廃業届の提出期限

上記①~⑦いずれかの事項に該当する場合は、30日以内に廃業届を提出する必要があります。

廃業=事業自体を廃止する必要はない

「廃業」といっても事業自体を廃止する必要はありません。

建設業許可の一部を廃止するということなので、必要になれば建設業許可の再取得が当然可能です。もちろん、許可を必要としない軽微な建設工事を行うこともできます。

廃業届を出さずに必要なくなった業種の建設業許可を放置していると、再度許可取得の申請を5年経過するまで行えない等、罰則の対象になるので放置しないよう注意しましょう。

なお、事業自体を辞める場合にも廃業届を提出することになります。

知事許可→大臣許可への変更|新規の許可申請と同様の扱いとなる

建設業許可には次の2つの区分があります。

  • 国土交通大臣許可(大臣許可)・・・営業所が2つ以上の都道府県にある場合
  • 都道府県知事許可(知事許可)・・・営業所が1つの都道府県にのみある場合

1つの都道府県内に営業所がある場合は最初に知事許可を取得しますが、その後複数の都道府県に営業所を設けて建設業を営業する場合は大臣許可への変更をしなければなりません。

知事許可→大臣許可への変更の手続きは、新規に許可申請する扱いとなります。

改めて必要書類を集め、知事許可を取得した際には提出していなかった本店以外の都道府県にある営業所の情報を追加するかたちで申請書を作成します。

各地方の許可行政庁によって申請時の取り扱いが異なるので、申請時に本店のある都道府県の担当課に問い合わせましょう。

大臣許可に関する問い合わせ先はこちら(国土交通省webサイト「許可行政庁一覧表」)

一般建設業→特定建設業への変更|厳しい要件をクリアするための準備が要る

元請業者の立場で請負った工事を4,500万円以上(建築工事業の場合は7,000万円))で下請業者に発注する場合、その請負契約を締結する時点で特定建設業許可を受けている必要があります。

主に元請工事で大規模な工事を受注しようとするのであれば、特定建設業許可を受けることになるでしょう。新規許可取得時には一般建設業を取得し、事業を続ける中で特定建設業を取得する流れとなります。

特定建設業は一般建設業よりも財産的基礎要件や専任技術者の要件が厳しく設定されています。財産的基礎要件をクリアするためには、会社の規模によっては数年をかけて準備することにもなりうるでしょう。

業種の追加は同じ許可区分で行う必要がある

建設業許可を受けている業者が、既存の業種に加えて新たな業種の許可を取得する場合は業種の追加の手続きを行う必要があります。

業種追加の際は、新規で許可を取得する場合と同様の要件(経営業務の管理責任者・専任技術者、財産的基礎の要件等)を満たしているか再度確認されることになります。

なお、業種の追加はまだ持っていない許可業種を追加する手続きであり、同じ許可区分で行う必要があります。1つの業種について一般建設業と特定建設業の両方を取得することはできません。

ところで、業種を追加すると、業種ごとに許可番号や許可期限が異なってきて更新の手続き漏れや失効の原因になることから、「許可の一本化」という制度が設けられています。

「許可の一本化」によって業種ごとに異なっている許可の有効期限を同時に更新することで期限を調整できます。

建設業許可取得後の手続き・変更届まとめ

  • 決算変更届は毎年提出しなければならない
  • 常勤役員等・保険の加入状況・専任技術者・令3条の使用人の変更は変更後2週間以内、その他の変更や一部廃業届は30日以内の届け出が必要
  • 建設業許可を取得後の各種変更手続きを怠ると、更新申請が受付されなかったり罰則の対象となったりするので見落としがないようチェックする
  • 変更届の手続きをスムーズに行うには、事前に準備すると◎

建設業専門の行政書士事務所

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行政書士 大槻 卓也
執筆者

建設業特化の行政書士法人ストレートの代表行政書士。年間申請数は300件を超える。建設業者のみならず行政書士、他士業からも多くの相談を受けるプロが認める専門家。誠実、迅速な対応で建設業者の発展に貢献します。

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  • VOICE.01
    株式会社電商ネット様

    エアコン工事がメインなので管工事業の建設業許可を実務経験10年の証明により取得してもらいました。最初の要件診断や必要書類等の説明が非常にスムーズで、すぐに信頼できるなと感じました。ホームページからの出会いですが、行政書士法人ストレートに依頼して本当に良かったです。

  • VOICE.02
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    土建組合から「建設業許可に強い事務所」ということで行政書士法人ストレートを紹介していただきました。初回相談のときから「建設業許可を本当に多くこなしているな」という印象があり、用意する資料の案内もわかりやすく、スムーズに許可がとれそうという安心感がありました。建設業許可が本気でほしいなら、迷わず行政書士法人ストレートに電話してみてください。

  • VOICE.04
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    許可取得までがあっという間で助かりました。実務経験証明での申請は難しいと聞いていたので、許可を取得することができて嬉しいです。これで特定技能や技能実習生の雇用も進めることができます。許可の維持管理もすべて行政書士法人ストレートにお任せしたいと思います。

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