まずはお気軽にお電話ください
Tel.042-843-4211

コラム

COLUMN
2021.06.24

評点経営状況Yとは?経営事項審査の重要ポイントを解説

経営事項審査の総合評定値P点のうち20%を占める経営状況(Y)について、どのような審査項目となっているのか、また評点計算の方法を解説します。

経営事項審査の全容解説はこちら

Yの評点は8つの指標から算出される

経営状況(Y)は、会社の決算内容に基づいた経営状況を表すもので、8つの指標により構成されています。

Yの評点は以下の3つの手順で算出します。

①8つの指標を数値化する

はじめに、次の8つの指標(X1~X8)を数値化します。

数値化の方法は後ほど解説しますので、まずは全体像を確認しましょう。

  • X1:純支払利息比率
  • X2:負債回転期間
  • X3:総資本売上総利益率
  • X4:売上高経常利益率
  • X5:自己資本対固定資産比率
  • X6:自己資本比率
  • X7:営業キャッシュフロー(絶対額)
  • X8:利益剰余金(絶対額)

ややこしいですが、このX1~X8は、経営事項審査における「経営規模(X)」とは別物です。

②経営点数Aを算出する

X1~X8それぞれをの指標を数値化したら、次にその数値から下記式により「経営点数A」を算出します。

A=-0.4650×X1-0.0508×X2+0.0264×X3+0.0277×X4+0.0011×X5+0.0089×X6+0.0818×X7+0.0172×X8+0.1906

※小数点以下第3位を四捨五入

③Y評点を算出する

②で算出して「経営点数A」を次の計算式に当てはめると、「経営状況Y」の評点となります。

Y=167.3×A+583

※小数点以下第1位を四捨五入
※最低点は0点、最高点は1,595点

8つの指標(X1~X8)について

Y評点を構成する8つの指標は、「負債抵抗力」「収益性・効率性」「財務健全性」「絶対的力量」の4つの項目に分かれているので、その項目ごとに解説していきます。

1.負債抵抗力

負債抵抗力は、「金利負担能力」と「月商に対して負債総額がどれくらいか」を表すもので、純支払利息比率と負債回転期間の2つで構成されています。

純支払利息比率(X1)

純支払利息比率とは、「有利子負債から生じる支払利息」から、「貸付金を含めた金融資産から生じる受取利息・配当金」を差し引いた純金利の負担の程度を計るものです。

Yの評点に占める割合は29.9%で、数値が低いほど経営事項審査の評価でプラスになります。

売上高、キャッシュフローの増加等による借入金の返済によって数値が低くなり、逆に、売上高の減少、借入金の増加等によって数値が高くなる特徴があります。

X1計算方法

(支払利息-受取利息配当金)÷売上高×100

※小数点以下5位未満の端数は四捨五入して、百分比とする。
※数値が5.1%を超える場合は、5.1%、-0.3%に満たない場合は、-0.3%とみなす。

負債回転期間X2

負債回転期間は、月商に対して、負債総額(流動負債・固定負債)がどれくらいかを表すもので、 負債全体を捉えるため、借入金だけではなく、支払手形や工事未払金の大小によっても左右されます。

Yの評点に占める割合は11.4%で、数値が低いほど経営事項審査においてプラスになります。

支払手形等のサイト短縮化および減少、売上高の増加によって数値を低くなり、 純支払利息比率と同様、実際には売上高の増減が大きく左右されるといえます。

X2の計算方法

(流動負債+固定負債)÷売上高÷12

※小数点以下3位未満の端数があるときは四捨五入。
※計算された数値が、180を超える場合は18.0、0.9に満たない場合は、0.9とみなします。

2.収益性・効率性

収益性・効率性は、会社がどれだけの収益を、どれだけ効率的にあげているかを評価する指標であり、数値が高いほど良いとされ、「総資本売上利益率X3」と「売上高経常利益率X4」の2つで構成されています。

総資本売上総利益率X3

総資本売上総利益率は、投下資本に対して、売上から原価を引いた粗利がどれくらいかを評価するものであり、 工事の採算性の度合いや、資本の大小に左右されるため、原価管理を徹底すると共に、資本のバランスにも注意が必要です。

Yの評点に占める割合は21.4%であり、数値が高いほど経営事項審査においてプラスになります。

(X3 上限値63.6%~下限値6.5%)

X3の計算方法

売上総利益÷総資本(2期平均)×100
※小数点以下5位未満の端数は四捨五入
※総資本の額は、貸借対照表における「負債純資産合計」の額、 売上総利益の額は、法人の場合、売上総利益の額、個人の場合は完成工事総利益の額とする。総資本の2期平均の額が3,000万円に満たない場合は3,000万円と見なす。

売上高経常利益率X4

売上高経常利益率は、財務活動なども含めた通常の企業活動における売上高に対する経常利益の割合を示し、金融収支なども含めた総合的な収益力を示す指標で、業績評価の指標として最も一般的なものです。

Yの評点に占める割合は5.7%で、数値が高いほど経営事項審査においてプラスになります。

営業利益増加や借入金返済による支払利息の減少で、数値が高くすることができます。

X4の計算方法

経常利益÷売上高×100

※小数点以下5位未満の端数があるときは四捨五入

3.財務健全性

財務健全性は、会社にどれだけ自己資本があるかを評価する指標です。借金に頼らず事業を運営出来ているかがポイントで、「自己資本対固定資産比率X5」と「自己資本比率X6」の2つで構成されていています。

自己資本対固定資産比率X5

自己資本対固定資産比率は、固定資産がどの程度自己資本で賄われているかを示す指標です。返済する必要のない資本である「自己資本」が多いほど経営は安定することになります。この数値は自己資本と他人資本のバランスを評価しており、総資本に対し自己資本の比率が高いほど資本調達が健全な状態となります。

Yの評点に占める割合は6.8%で、数値が高いほど経営事項審査においてプラスになります。

X5の計算方法

自己資本÷固定資産×100

※小数点以下5位未満の端数は四捨五入
※自己資本の額は、貸借対照表における「純資産合計」の額

自己資本比率X6

自己資本比率は、総資本に占める自己資本の割合を示す指標で、資本構成から企業の安全性をみるものです。

Yの評点に占める割合は14.6%で、数値が高い方が経営事項審査においてプラスになります。

X6計算方法

自己資本÷総資本×100

※小数点以下5位未満の端数は四捨五入
※自己資本の額は、貸借対照表における「純資産合計」の額

4.絶対的力量

絶対的力量は、キャッシュフロー、利益余剰金等、会社の経営規模が反映される指標で、「営業キャッシュフロー」と「利益剰余金」の2つで構成されています。

営業キャッシュフローX7

営業キャッシュフロー(X7 上限値15.0~下限値-10.0)寄与度5.7% 高いほどよい
キャッシュフローとは、現金主義によって計算された利益と会社の財務活動によってもたらされる「お金の増減」のことです。

発生主義による利益に比べると操作性が排除されるため、企業の実体が正確に反映される言われています。

Yの評点に占める割合は5.7%で、数値が高いほど経営事項審査においてプラスになります。

X7の計算方法

経常利益+減価償却実施額+貸倒引当金増加額-法人税・住民税及び事業税-売掛債権増加額+仕入債務増加額-棚卸資産増加額+未成工事受入金増加額

※売掛債権=受取手形+完成工事未収入金
※仕入債務=支払手形+工事未払金
※棚卸資産=未成工事支出金+材料貯蔵品
※小数点以下5位未満の端数は四捨五入

利益剰余金X8

上限値100~下限値-3.0) 寄与度4.4% 高いほど良い
企業の経営活動から生じた利益の積立部分に焦点を当てたもので、 自己資本のうち、企業に投下された払込資本以外の利益剰余金は、企業が自由に運用できる資金の源泉であり、真の体力を反映する指標であるとされています。 

Yの評点に占める割合は4.4%で、数値が高いほど経営事項審査においてプラスになります。

X8の計算方法

利益剰余金÷1億

※小数点以下3位未満の端数は四捨五入

Yの評点を算出する

上記X1~X8指標を「経営状況点数A」に集約し、さらにその点数AからY評点を算出します。

経営状況点数Aの計算方法

X1~X8の3つの指標の点数を確認したら、次の計算式に当てはめて「経営点数A」を算出します。

経営状況点数A=-0.4650×X1-0.0508×X2+0.0264×X3+0.0277×X4+0.0011×X5+0.0089×X6+0.0818×X7+0.0172×X8+0.1906
 
※小数点以下第3位を四捨五入

Yの評点計算方法

上記の通り算出した経営状況点数Aを下記式に当てはめて、Y評点を計算します。

経営状況評点Y=167.3×経営状況点数A+583
行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

建設業特化の行政書士法人ストレートの代表行政書士。年間申請数は300件を超える。建設業者のみならず行政書士、他士業からも多くの相談を受けるプロが認める専門家。誠実、迅速な対応で建設業者の発展に貢献します。

Voice

お客様の声

  • VOICE.01
    株式会社電商ネット様

    エアコン工事がメインなので管工事業の建設業許可を実務経験10年の証明により取得してもらいました。最初の要件診断や必要書類等の説明が非常にスムーズで、すぐに信頼できるなと感じました。ホームページからの出会いですが、行政書士法人ストレートに依頼して本当に良かったです。

  • VOICE.02
    株式会社ファースト様

    はじめはネットで検索して依頼しました。経営事項審査申請、入札参加資格申請、建設業許可の維持管理まで継続的にお願いしています。案内がとてもわかりやすく丁寧で、各手続きが期限内に遂行されるので安心してお任せできます。建設業専門の事務所に相談できて心強いです。

  • VOICE.03
    株式会社ルーク様

    土建組合から「建設業許可に強い事務所」ということで行政書士法人ストレートを紹介していただきました。初回相談のときから「建設業許可を本当に多くこなしているな」という印象があり、用意する資料の案内もわかりやすく、スムーズに許可がとれそうという安心感がありました。建設業許可が本気でほしいなら、迷わず行政書士法人ストレートに電話してみてください。

  • VOICE.04
    株式会社啓様

    許可取得までがあっという間で助かりました。実務経験証明での申請は難しいと聞いていたので、許可を取得することができて嬉しいです。これで特定技能や技能実習生の雇用も進めることができます。許可の維持管理もすべて行政書士法人ストレートにお任せしたいと思います。

初回無料相談!
まずはお気軽にご相談ください

建設業許可、経営事項審査、公共工事入札参加は、
行政書士法人ストレートにお任せください!

電話で相談する
Tel.042-843-4211
メールで相談する
無料相談はこちら
行政書士法人ストレートの写真

当社は、建設業関連業務に特化している行政書士法人です。東京都、神奈川県、埼玉県を中心に建設業許可に関する手続きを年間300件以上代行しており、難易度の高い申請の実績も豊富です。

他の行政書士には許可をとれないと言われた事業者様の建設業許可を、問題なくスムーズに取得できるケースも非常に多いです。行政書士の業務は多岐にわたるので、建設業許可に詳しくない事務所も当然あります。

「近所だから」「安いから」という理由だけで依頼する行政書士を選ぶと、許可取得までに時間がかかったり、許可を取得できないということも考えられます。特殊な法律やルールの多い建設業に関する手続きは、専門の行政書士にご相談いただけることを願います。