中小建設企業の経営者と面談を重ねていくと、多くの方が
- ①売上・利益の確保
- ②資金繰り
- ③人材不足
という共通の悩みを抱えていることに気づきます。
今回は、これらの悩みをまとめて解決できる可能性がある公共工事受注の体制を整えることについて、そのメリットを中心に紹介していきましょう。
この記事では、
- 公共工事を受注するメリット
- 公共工事に対するよくある誤解について
- 公共工事入札参加資格を取得するまでの流れ
- オンライン申請による事務負担の削減
について、建設業専門の行政書士法人ストレートが解説します。
目次
公共工事受注のメリット
まずは、公共工事を受注することのメリットの一部を4つ列挙しましょう。
- ①売上・利益が上がる
- ②倒産しにくくなる
- ③資金繰りが良くなる
- ④信用力が高まる
これら4つのメリットに対して「そんなに上手くはいかない」と考える方もいるかもしれません。
しかし、建設業者の成長、安定した経営のための長期的な対策としては、公共工事を受注できる体制を整えるのが一番良い方法なのではないかと私は考えています。
ただし、戦略なく入札に参加しても良い結果を得られないケースが多いので、「どの発注機関から、どのような工事業種で、どれくらいの規模の工事を受注するのか」という目標から逆算して戦略的に入札に参加することが大切です。
列挙したメリットの詳細についてそれぞれ紹介していきましょう。
①売上・利益が上がる
公共工事を落札すると、元請業者の立場で工事を施工することになります。
建設業は、ひとつの現場を複数の業者で施工する重層下請構造であり、当然ながらそのトップに位置する元請業者が一番売上単価が高いです。また、基本的には利益率も一番高くなります。
経営事項審査でも有利になる
下請完成工事高と比べると、元請完成工事高は入札参加に必要な経営事項審査の評点において有利に評価されるので、元請として工事売上をアップさせることは、建設業者の発展においてとても重要な課題です。
②倒産しにくくなる
建設業界では、重層下請構造によって引き起こされる連鎖倒産が少なくありません。
下請業者として真面目に工事を施工していても、自社よりも上の立場の会社が倒産してしまったら、請負金額を支払ってもらえずに一緒に倒れるしかない状態に陥るのは恐ろしいことです。
公共工事の場合は、請負金額の支払いが税金で賄われるので未払いになることがない点もメリットです。
下請体制から元請体制へとシフトしていくことで、倒産しにくい強い会社になることができます。
③資金繰りが良くなる
企業経営において資金繰りはとても重要です。
売上や利益をしっかり計上できていても、その売上を上げるために必要な経費にあてる現金が不足していたり、売上の回収が遅れれば経営は苦しくなります。
公共工事には前受金がある
建設工事は着工時に資材・機材・人材などに多額の資金が必要です。
公共工事では、確実に工事が履行されるよう、着工時に工事代金の一部が前払いされることがほとんどです。
この前受金は、工事代金の4割前後が支払われることが多く、資金繰りへの苦労が激減します。
④信用力が高まる
建設業者が「消費者に選ばれる基準」「取引先として指名される基準」として、信用力はとても重要であり、この信用力を高めるためにも公共工事の受注は有効です。
公共工事を請負うことで、 国や地方自治体などの行政機関から認められている確かな企業であるという証明になります。
また、求人広告に公共工事の実績を載せてみたところエントリー数が増え、有能な人材の確保につながったというケースも実際にあります。
融資も受けやすくなる
公共工事の受注により利益をあげている企業は銀行からも信用力が高く、安心できる会社だと判断してもらえるポイントの1つになります。
公共工事に対する2つのよくある誤解
公共工事の入札に参加していない建設業者は、次の2つの誤解をしている傾向が多く見受けられます。
- ①参加できる案件が少ないのでは?
- ②大規模な工事しかないのでは?
これら2つの誤解について説明していきましょう。
【誤解①】参加できる案件が少ないのでは?
公共工事と聞くと、その発注機関として国・都道府県・市区町村などを思い浮かべると思いますが、他にも多くの発注機関が存在しています。
例えば、次のような発注機関が挙げられます。
- 東京都都市づくり公社
- 東京都住宅供給公社
- 理化学研究所
- 環境再生保全機構
- 首都高速道路株式会社
- 国立大学法人
- 日本放送協会
- 独立行政法人都市再生機構
- 独立行政法人水資源機構
- 日本下水道事業団
- 独立行政法人鉄道建設
- 成田国際空港株式会社
上記は一例であり、まだまだ多くの公共工事発注機関が存在します。
発注機関がこれだけ多くあり、それぞれの機関ごとに工事を発注しているので、真剣に探すと入札に参加できる案件は割とたくさんあります。
国・都道府県・市区町村の入札に参加しつつ、こういった比較的競争率の低い発注案件を狙うのも戦略の1つです。
【誤解②】大規模な工事しかないのでは?
公共工事は「行政施設建築工事」や「道路工事」などの大規模な工事ばかりで、自社で施工可能な規模とあわないと考えて入札に参加しない建設業者も多いですが、実際には設備工事、改修工事などの小規模な専門工事も多く発注されています。
どのような工事が発注されているかは、入札参加資格を有していなくてもインターネットで簡単に調べることができるので、ぜひ確認してみるといいでしょう。
公共工事入札に参加する方法
公共工事入札に参加する資格を取得するまでの大まかな流れを紹介します。
入札参加までの一般的な流れ
1
2
3
4
5
6
手続きを専門家に委任する場合は、ステップ2は税理士、その他は行政書士となります。
入札参加手続きは毎年行う
公共工事の入札参加者は、常に最新の状態の経営状況や技術力が基準となるよう、上記流れのうちステップ2「決算・確定申告」以降は毎年決算を迎えるたびに届出・申請をしなければなりません。
ただし、ステップ6の入札参加資格継続申請は数年に一度、定期的に受け付けるという発注機関もあるので、発注機関ごとのルールをしっかり確認する必要があります。
入札参加資格登録のオンライン申請によって準備がスムーズに
入札参加資格申請の多くは書面を提出する形で行われていますが、電子申請の受付を行う窓口も増えてきていて、東京都や神奈川県など都市部の自治体の一部ではオンライン申請に切り替わっています。
申請の電子化によって、1つの自治体に提出するおよそ20ページ分に及ぶ書類作成の事務コスト削減・効率化につながるというメリットがあります。
セキュリティ確保の観点から、ID・パスワードを事前に発行するタイプや、申請者または手続き代理人の電子署名書を利用して電子署名を行うタイプがあります。
また、オンライン上のデータ送信で全て完結する場合と、オンラインで送信した後に一部の書面を郵送で送付して完結する場合があるので、どのような方式になるのか申請先の窓口やネット上の申請事務取扱い要項を確認しましょう。
入札参加の相談は行政書士へ
入札参加資格取得までに必要な手続きは非常に複雑であり、審査も厳しいものです。
- 面倒な手続きは専門家に外注したい
- 入札参加資格取得をスムーズに進めたい
- 経営事項審査の評点をアップさせたい
- 公共工事を戦略的に受注したい
特に上記のような建設業者は、建設業に強い行政書士に相談してみることをおすすめします。
行政書士法人ストレートでは、個人事業主から上場企業まで多くの企業に建設業許可、公共工事入札に関するパートナーとしてご利用いただいております。
- これから公共工事入札に参加してみたい
- いつもと違う行政書士の話も聞いてみたい
という方からのお問い合わせをお待ちしております。
建設業専門の行政書士事務所
行政書士法人ストレートは、建設業者サポートに特化した事務所です。
建設業許可申請・経営事項審査・工事入札参加は、相談する行政書士によってその結果が異なることが多くあります。
個人事業~上場企業まで、年間300件以上の手続き実績がある行政書士が対応いたしますので、是非、初回無料相談をご利用ください。
セカンドオピニオンも大歓迎です。お気軽にお問い合わせください。
建設業許可、経営事項審査、公共工事入札参加は、初回無料相談!
まずはお気軽にご相談ください
行政書士法人ストレートにお任せください!