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コラム

COLUMN
2021.07.02

その他の審査項目「社会性等」Wとは?経審のポイントを解説

その他の審査項目「社会性等」では、建設事業者が社会的な責任を果たしているかなどを点数化して評価します。

総合評定値(P)への影響は非常に大きい審査項目なので、内容をしっかり把握して評点アップ対策に挑みましょう。

その他の審査項目は、次のとおり大きく10項目に区分されています。

  • W1 労働福祉の状況
  • W2 建設業の営業継続の状況
  • W3 防災活動への貢献の状況
  • W4 法令遵守の状況
  • W5 建設業の経理の状況
  • W6 研究会春の状況
  • W7 建設機械の保有状況
  • W8 国際標準機構が定めた規格の登録状況
  • W9 若年技術者・技能労働者の育成及び確保の状況
  • W10 知識・技術・技能向上への取組の状況

上記W1~W10それぞれの点数を求めたうえで、次の式に当てはめることにより「その他の審査項目W」の評点を算出できます。

W=(W1+W2+W3+W4+W5+W6+W7+W8+W9+W10)×10×190/200

以下では、W1~W10それぞれの解説と、その点数の算出方法をまとめますのでご確認ください。

労働福祉の状況W1

労働福祉の状況は、建設事業者に義務とされていることが適用されていない場合は減点、適用していることが評価できるものについては加点する仕組であり、具体的な項目は次のとおりです。

加点されるもの

  • ①建設業退職金共済制度の導入
  • ②退職一時金制度または企業年金制度の導入
  • ③法定外労働災害補償制度の導入

減点されるもの

  • ④雇用保険未加入
  • ⑤健康保険未加入
  • ⑥厚生年金保険未加入

※いずれも適用除外を除く

W1の計算方法

上記①~③の中で該当する項目の数をY1、④~⑤の中で該当する項目の数をY2とし、次の計算式に当てはめます。

W1=Y1×15-Y2×40

建設業の営業継続の状況W2

この項目は、建設業の営業年数(W21)と、民事再生法または会社更生法適用の有無(W22)の2つで構成されています。

営業年数W21

経営事項審査における建設業の営業年数とは、建設業許可を受けたときから起算して審査基準日までの年数のことをいい、1年未満は切り捨てます。

営業年数に応じた点数は次の表のとおりです。

35年以上 60点
34年 58点
33年 56点
32年 54点
31年 52点
30年 50点
29年 48点
28年 46点
27年 44点
26年 42点
25年 40点
24年 38点
23年 36点
22年 34点
21年 32点
20年 30点
19年 28点
18年 26点
17年 24点
16年 22点
15年 20点
14年 18点
13年 16点
12年 14点
11年 12点
10年 10点
9年 8点
8年 6点
7年 4点
6年 2点
5年以下 0点

民事再生法または会社更生法の適用を受けている場合(W22)

W22は、適用があると減点される項目で、平成23年4月1日以降の申立てに係る再生または構成手続の決定を受け、かつ、手続終結の決定を受けていない場合は、「-60点」となります。適用がない場合は「0点」ということになります。

W2の計算方法

上記のとおりW21とW22を算出したら、次の計算式に当てはめます。

W2=W21+W22

防災活動への貢献の状況W3

防災活動への貢献の状況では、建設事業者が官公庁と防災協定を締結している場合に加点されます。

防災協定とは、災害時における建設事業者の防災活動等について、建設事業者と国や地方公共団体等との間の協定のことをいい、協定を締結している区域に災害が起こった場合に、官民共同で協力体制を整えて優先的に応急工事を行うというものです。

建設業団体等を経由した協定でもOK

防災協定は、建設事業者が単独で国や地方公共団体等と締結していなく、建設業者団体を経由したものでも加点が認められます。

たとえば、土建組合や商工会等が地域行政と防災協定を締結していれば、その組合員、会員は加点対象となります。

防災協定の確認書類

防災協定を締結していることの確認書類は次のとおりです。

  • 防災協定書
  • 団体経由の場合は団体発行の加入証明書

防災協定の点数

防災協定の締結「有」=20点、締結「無」=0点

法令遵守の状況W4

法令遵守の状況は、審査対象となる事業年度内に建設業法における「指示処分」や「業務停止処分」を受けた場合に、次の表のとおりに減点されるというものです。

処分なし 0点
指示処分 -15点
営業停止処分 -30点

建設業の経理の状況W5

建設業の経理の状況では、「監査の受審状況」と「公認会計士等の数」の2項目を審査されます。

監査の受審状況W51

監査の受審状況が加点となるのは、次の3つの場合です。

①会計監査人の設置

監査法人や公認会計士を、会計監査人として設置(登記)したうえで、会計監査人が財務諸表について「無限定適正意見」または「限定付適正意見」を表明している場合に加点となります。

②会計参与の設置

会計参与は、税理士など一定の資格者が会社の取締役と共同して決算書を作成するという会社の機関であり、会計監査人同様に登記するものです。

経営事項審査においては、「会計参与報告書」を作成している場合に加点となります。

③経理責任者による自主監査

以下の資格を有する経理責任者が、「建設業の経理が適正に行われたことに係る確認項目」を用いて確認し、「経理処理の適正を確認した旨の書類」に自主監査した旨の署名を行うことにより加点となります。

  • ①公認会計士
  • ②会計士補
  • ③税理士
  • ④上記①~③になれる資格を有する者
  • ⑤1級建設業経理士

監査の受審状況の点数表

会計監査人の設置 20点
会計参与の設置 10点
経理処理適正確認書類提出 20点
0点

公認会計士等の数W52

公認会計士等の数とは、経営事項審査の申請会社における常勤社員のうち、公認会計士や税理士等一定の資格を有する者の人数に応じて次のとおり加点されます。

①公認会計士 1点
②会計士補 1点
③税理士 1点
④上記①~③になれる資格を有する者 1点
⑤建設業経理士1級 1点
⑥建設業経理士2級 0.4点

公認会計士等の数は、申請者の年間平均完成工事高の額に応じて相対的に評価されます。

上記表のとおり公認会計士等の人数に応じて点数を出したら、以下の表に当てはめてW52の評点を算出します。

研究開発の状況W6

研究開発の状況の評価項目は、会計監査人設置会社のみ評価対象となるもので、審査対象年とその前年の2年平均の「研究開発費」の額が評価されます。

経営事項審査においては、会計監査報告書と財務諸表の注記表により確認されるので、研究開発費の額は必ず注記表に記載するようにしましょう。

研究開発費の点数計算方法

2年平均の研究開発費の額に応じて、次の表のとおり点数が定められています。

100億円以上 25点
75億円~100億円未満 24点
50億円~75億円未満 23点
30億円~50億円未満 22点
20億円~30億円未満 21点
19億円~20億円未満 20点
18億円~19億円未満 19点
17億円~18億円未満 18点
16億円~17億円未満 17点
15億円~16億円未満 16点
14億円~15億円未満 15点
13億円~14億円未満 14点
12億円~13億円未満 13点
11億円~12億円未満 12点
10億円~11億円未満 11点
9億円~10億円未満 10点
8億円~9億円未満 9点
7億円~8億円未満 8点
6億円~7億円未満 7点
5億円~6億円未満 6点
4億円~5億円未満 5点
3億円~4億円未満 4点
2億円~3億円未満 3点
1億円~2億円未満 2点
5,000万円~1億円未満 1点
5,000未満 0点

建設機械の保有状況W7

建設機械の保有状況は、審査基準日において、「建設機械を保有している場合」または「審査基準日から1年7カ月以上の使用権原が定められているリース契約をしている場合」に、その合計台数に応じて加点される仕組みです。

評価対象となる建設機械

経営事項審査において、所有またはリースしていると加点される建設機械の次のとおりです。

ショベル系掘削機

ショベル、バックホウ、ドラグライン、クラムシェル、クレーンまたはパイルドライバーのアタッチメントを有するもの。

ブルドーザー

自重が3トン以上のもの。

トラクターショベル

バケット容量が0.4㎥以上のもの。

移動式クレーン

吊上荷重3トン以上のもの。

大型ダンプ車

車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上で、事業種類として建設業を届出、表示番号の指定を受けているもので、主として建設業用とに使用するもの。

モーターグレーダー

自重5トン以上のもの。

建設機械保有状況の確認資料

建設機械の所有、リースの確認方法は、審査庁により異なることが多いので個別に確認が必要ですが、一般的には次のような資料が揃えばほとんどの審査庁で通用します。

  • 建設機械の写真
  • 建設機械の仕様書・カタログ・車検証等
  • 売買契約書・譲渡契約書・リース契約書
  • 特定自主検査記録表

建設機械保有状況の点数計算方法

上記のとおり、所有またはリースしている建設機械の台数に応じて、次の表のとおりに点数が設定されています。

15台以上 15点
14台 15点
13台 14点
12台 14点
11台 13点
10台 13点
9台 12点
8台 12点
7台 11点
6台 10点
5台 9点
4台 8点
3台 7点
2台 6点
1台 5点
0台 0点

国際標準化機構規格登録の状況W8

国際標準化機構が定めた規格による登録の状況とは、審査基準日において、公益財団法人日本適合性認定協会または審査登録機関によって、ISO9001、ISO14001の登録を受けている場合に加点されます。

ただし、認証範囲に建設業が含まれない場合や、認証範囲が一部の支店等に限られている場合は加点対象から外れるので注意しましょう。

ISO規格登録の点数計算

ISO900またはISO14001、もしくはその両方に登録している場合、次のとおり点数が付与されます。

  • ISO900・14001を登録:10点
  • ISO900のみ登録:5点
  • ISO14001のみ登録:5点

若年技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況W9

経営事項審査申請における技術職員名簿に記載されている技術職員のうち、15%以上が35歳未満である場合に加点されます。また、審査対象事業年度において、技術職員名簿に新たに記載された35歳未満の人数が全体の1%以上の場合も加点となります。

若年技術者に関する点数

  • 技術職員名簿のうち35歳未満の人数が15%以上:1点
  • 技術職員名簿に新たに記載される35歳未満の人数が全体の1%以上:1点

知識・技術・技能向上に関する取組の状況W10

知識、技術、技能向上への取り込みについては、次の4つの項目に分類されています。

  • Z1 技術者数
  • Z2 技能者数
  • Z3 技術者点
  • Z4 技能者点

Z1 技術者数とは

主任技術者、監理技術者資格を有する者、登録基幹技能者講習修了者、2級技士若しくは1級技士補の数のことをいいます。

Z2 技能者数とは

審査基準日以前3年間のうちに工事施工に従事した者の数をいいます。

Z 3 技術者点とは

経営事項審査申請業者に所属している建設技術者について、審査基準日において、基準日前1年間における技術者1人当たりが取得したCPD単位数に応じて、次の表のとおり配点されます。

30 10点
27~30未満 9点
24~27未満 8点
21~24未満 7点
18~21未満 6点
15~18未満 5点
12~15未満 4点
9~12未満 3点
6~9未満 2点
3~6未満 1点
3未満 0点

技術者一人当たりのCPD単位は、CPD認定団体ごとに以下の数値を30に換算します。

技術者のCPD単位=1人の技術者の単位取得数÷下記表数値×30

Z4 技能者点とは

審査基準日において、基準日前3年間における能力評価基準で、1以上レベルアップした建設技能者の割合を計算し、次の表に当てはめて評点を求めます。

審査基準日において既にレベル4と判定されている建設技能者は除きます。

W10評点の計算方法

上記のとおり、Z1~Z4の数値を求めたら、それぞれの数値を次の式に当てはめてW10の評点を算出します。

W10=技術者数Z1÷(技術者数Z1+技能者数Z2)×技術者点Z3+技能者数Z2÷(技術者数Z1+技能者数Z2)×技能者配点Z4

その他の審査項目Wの評点アップ対策まとめ

上記のとおり、多くの審査項目から構成されるWですが経営事項審査における総合評定値P点に与える影響は大きく、また、短期的な対策でも評点アップにつながりやすい審査項目なので、しっかり対策をして経営事項審査の点数アップを狙いましょう。

  • 加点項目は、可能な範囲で制度を導入し、労働福祉の向上により従業員1人ひとりの稼働率、生産性を高める経営を目指す。
  • 防災協定を締結していない場合、防災協定を締結している建設業団体への加入を検討する。
  • 会社の規模によっては、会計監査制度を導入する。
  • 経理職員は、建設業経理士1級、2級の合格を目指す
  • 継続的な稼働率が見込める場合は、建設機械の購入や長期リースも検討する
  • 人事においては若年の技術者を積極的に採用する。

経営事項審査全体の解説はこちら

国土交通省の経営事項審査ページはこちら

行政書士法人ストレート
行政書士 大槻 卓也
執筆者

建設業特化の行政書士法人ストレートの代表行政書士。年間申請数は300件を超える。建設業者のみならず行政書士、他士業からも多くの相談を受けるプロが認める専門家。誠実、迅速な対応で建設業者の発展に貢献します。

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